3つのナイトメアー
て、私、全然知らなかった。本当に最低な人ね。私にできることがあったら、
なんでも言ってちょうだい」
「ああ、恭子ちゃんならそう言ってくれると思ってた。だから、自然と足が東
京に向いてたのね。父も、年を取ってからずっと体の具合が悪くてね。母と二
人の年金暮らしだから実家も頼れないし。田舎じゃ四十過ぎた女にろくな仕事
がないの。お金も持ち逃げされてほとんど残ってないし。あの、言いにくいん
だけど、恭子ちゃんのご主人、公認会計士で独立して事務所を持ってるのよ
ね? 私をそこで雇ってもらえないかしら? 給料なんて最低限、食べていけ
るだけでいいし、雑用でもなんでも精一杯やりますから。恭子ちゃんから、ご
主人にお願いしてもらえないかしら?」
華代の突然の申し出に、恭子は内心動揺した。夫の事務所は繁盛していると
はいえ、今のところ人手は足りているはずだ。一人くら