3つのナイトメアー


東京の大学に通う二回生なんです。もうすぐ夏季休暇だそうですので、私の代


わりにアルバイトとして使ってやってもらえませんか。法学部ですので、少し


はお役に立てるかもしれません。何でもさせますので」


「華代さんにそんな息子さんがいたとは知らなかった。よし、早速華代さんの


代わりに来てもらうことにしようか。恭子もそれで構わないね?」


 ちょうど年頃の娘の春名は、東京を離れて関西の大学に通っていた。中年夫


婦の間に、若い男性が一人入ったところで、なんの問題もなかった。


「ええ、もちろんよ。華代ちゃんの子供だもの、安心だわ」


 微笑みながら答えた恭子は、その時まだ、自分の中に潜む生々しい女の性に


気づいてなかった。



 華代がE県に帰った三日後、圭が冬彦の事務所
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