3つのナイトメアー


夕食の時間を迎えた。それとなく圭の様子をうかがうと、恭子を避けるように


視線をそらせて、もくもくとスプーンを動かしている。母親のいとこにあた


る、しかも二十歳も年の離れた人妻から、いきなりこんな不義の内容のメール


を送られてきて、混乱しているようにも迷惑がっているようにもみえる。恭子


は、早まったことをしたという大きな後悔と僅かな期待を胸に、とうとう三日


後の夜を迎えた。




 時計の針が十時を差す頃、恭子の胸は、始めて愛を告白した少女のようにド


クドクと高なりはじめた。完全に諦めきれない自分の女の業の浅ましさに戸惑


った。その時、ドアを低くノックする音が聞こえ、恭子は喜びを抑えきれず急


いでドアに走り寄った。ドアの向こうには、思い詰めた目をじっと恭子に注い


でいる圭が立っていた。


 もう、言葉などいらない。恭子は圭を部屋に招き入れ、上背のあるしっかり


とした肩に
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