3つのナイトメアー


両腕を絡ませながら、甘い声でささやいた。


「なぜ、メールの返事をくれなかったの?」


「恭子さんがメールをくれた時から、ずっと迷ってました。初めて会った時か


ら、ぼくはあなたに惹かれていた。でも、あなたは母のいとこで、ぼくたち親


子の恩人といっていい山本先生の奥さんです。あなたと深い関係になったら、


この二人を深く傷つけることになる。ぼくは、残された理性とずっと戦ってき


た。でも、どうしてもあなたを求める気持ちを抑えることが出来なかった!」


「ああ、圭くん、私も、私もよ!」


 二人はそのままベッドの中に倒れ込んだ。恭子は、冬彦とでは絶対味わえな


い、若い体からほとばしるエネルギーを貪欲に吸収しようと、足を強くからま


せ、ひたすら官能の渦に身を任せた。その時は、冬彦への懺悔の気持ちや、華


代に対する罪悪感といった常識的な感情は、みじんも浮かんでこなかった。


 その夜、二人は抱き合ったまま眠りについ
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