3つのナイトメアー
た。窓の隙間からみえる青く輝く月だけが、二人の秘密を知っていた。
それからは、恭子は圭と、冬彦が出張する僅かな時間を待ちわびて逢瀬を重
ねた。照れた時や考えごとをする時、鼻の下を擦るという仕草まで父とそっく
りで、恭子はますます圭が愛しかった。それと比例するように、今まで以上に
冬彦のことが疎ましくてならなかった。圭と出会うまで感じたことのなかっ
た、冬彦の癖の一つ一つに嫌悪感をもよおして、一緒にいるのが苦痛だった。
夜ベッドの中で、圭とは別の生き物のような、醜く老いた弛んだ体が自分に触
れてこないかと、ビクビクと冷や汗を流しながら身を縮こまらせた。
そんな日々が、二か月ほど続いた。あと僅かで圭の夏季休暇も終わり、華代
が戻ってきて仕事を引き継ぎ、圭との関係も終わることは、しごく当然のこと
だった。恭子は、何不自由