3つのナイトメアー
ない大きな罪をおかそうとしているが、本物の愛を成就するためには、人を傷
つけることを恐れてはならないと、胸の中で何度も言い聞かせた。到底、分別
ある大人の女とは思えない独りよがりな発想だが、その時の恭子は、世間一般
のモラルやタブーを脱ぎ捨てた、純粋に若い男を求めるだけのメスになりきっ
ていた。
その日、華代がとうとう東京に戻ってくる日の前日、冬彦が緊急の出張で家
を空けた。恭子は、圭を寝室に呼び、自分の決意を打ち明けた。
「圭くん、私もうこれ以上、主人と生活するのに耐えられないわ。ねえ、二人
でどこか遠い所に行って暮しましょうよ。お金のことなら心配いらないわ。あ
なたは大学を止めなくてもいいのよ。ものすごく罪なことをしようとしてるの
は分かってる。でも、あなたのことを一番愛してるから、片時も離れたくない