一途愛
夜 龍が迎えに来た。

「あったかくしてね。寒いから。」

ママが送り出してくれた。


手袋はいてない龍の手はもう真っ赤だった。


「手袋はいてきたらいいのに。」

「姫があっためてくれるだろ。」

ニッコリ笑って私の手をとった。


「初詣なんて私 初めてなの。
それも他人と行くなんて 想像もしてなかったよ。」

「そうだよな。
姫にとっては 劇的な幕開けになるんだな。」

「そうだよ。
ほんとに龍に会うまでこんな私を
想像することさえなかったのに・・・・・。」


「よかった?それとも迷惑だった?」

私は龍の肩に頭を乗せた。


「よかったにきまってるよ。」

切ないときもあるけどね・・・・・。


「何 お願いしようかな。たくさんあって
迷っちゃうんだよね~~。」

私が言うと

「なんでたくさんある?」

「龍と一緒にいられますように
龍と両親が健康でいられますように
龍がずっと私を好きでいてくれますように
意地悪に負けないように
きれいになって痩せれますように
ルナタとルナが 健康でいられますように。」


「あはは
それは聞いてもらえないな~~~。
幸せで過ごせますようにでいいんじゃね?」

龍が私の鼻を冷たい指で 握った。

「や~~~!!」

顔見合わせて微笑みあう。


来年の大晦日も一緒だよね。
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