繋いだ手
二人を乗せた車は、


目的地も決まらないままに、


とりあえず、


街から東の方へと向かっていた。



国産車のワンボックスの


右側には、

あたし。


左側には

善が乗っている。




善にはまだ


免許がない。


善はまだ、


現役の高校生。


一ケ月前に


3年にあがったばかりだ。



超かわいい彼女がいる。


彼女がいた?



今はどちらと言って良いんだろう?



まぁ、


そんな感じの善だ。


一茶とふるやけんじを


足して2で割ったような


善の外見は、



通りを歩くだけで、


すれ違う女の子が、


あの人マヂヤバっ!


って、思わず声にする。



わざわざ、


振り返っちゃうくらい



イケメン。


男友達には、


お前は

いいよなっ





言われる男っぷり。



もう、

騒がれることに


慣れてるらしく


本人もそれを

嫌みなく


開き直り?!




「しょうがないわ。本当のことだ!」




笑い飛ばす始末。



女に困ってきたこともないだろう。


タメの子達と毎日、


寝る間も惜しんで

遊びたい、17歳。


っな、はずなのに



不思議。



普通はそうだろうに、



善は、


今、あたしを誘うのが


たぶん、


マイブーム。



善はあたしの10も歳下。


いくら、


彼のプラスになること


話してあげれたとしても、


そこまで与えてないでしょ?


って、あたしは思うけど、


あたしはどうか?



と聞かれると


やっぱ楽しい。



そこは、お互い



連鎖かな?



善は、あたしとの時間を


「楽しい②」



と、連呼する。
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