しゃぼん玉
二人は恋愛関係ではない、ただの幼なじみだ。
リクは幼なじみだったこともあり、メイの家庭環境を昔から良く知っている。
だから、どうしてもメイに口出しをしてしまう。
メイはリクの説教を右から左へ受け流し、
「もういい?
私、行くとこあるから」
「もう暗くなるのに、どこ行く気だよ!」
「リクには関係ないしー。
ついてこないでよ。」
「ついてく!!」
メイはクルッと振り向き冷たい視線で、
「彼氏でもないくせに、首突っ込み過ぎー。
しつこい男は嫌われるよ。
じゃねー」
リクは眉を下げて、悲しげな瞳でメイの背中を見送った。
その小さな背中と綺麗な長い髪は、夜の繁華街へ吸い込まれていった。
「彼氏になりたいっつっても、メイは拒否るじゃん……。
だから俺は、幼なじみでいるのに……
」
涙をこらえて、リクは帰路についた。