しゃぼん玉

メイがずっと求めていた温もり。

人の優しさ。

なにげない気遣い。

そういったものを、清から全てもらったような気がして、メイの目頭は熱くなった。

幼い頃に枯れ果てたはずの水分が瞳に浮かびそうになると、

“私らしくない”

と思い、グッとこらえた。


“私は、誰のことも信じないって決めてるの。

だって、みんな、内心何考えてるか分かったもんじゃないし。

このばあさんだって、心の底じゃ私のこと嫌ってるに決まってる。

一時の情にほだされるもんか!”

反射的にそう考えてしまうのに、首に巻かれた毛糸の束は温かくて……。


清は満足そうにメイの姿を見てから、夕ごはんの支度にとりかかった。

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