しゃぼん玉
宇都宮は、さきほど商店街で出くわした老婆のことを思い出しながら、穂積家の玄関を開けた。
やはり、翔子はイライラしている。
宇都宮の顔を見るなり、
「今日こそは大丈夫って言ってたわよね!?
なのに何で、一人でノコノコとこんなとこに現れてんの!?」
「ノコノコって、ひどいなぁ。
呼び出したのは翔子さんじゃないすかぁ」
雰囲気が悪化しないよう、宇都宮は軽くて明るい口調に徹する。
メグルの祖母·清に見つかり、メイを連れ出すのに失敗した、とは言えない雰囲気だ。
「あんたに頼んだの、間違いだったかしら。
私が直接、あの子引っ張ってこようか?
S高の場所ならわかるし」
翔子はいらただしげに言った。