しゃぼん玉

ミズキは、かすかに冬の匂いがする風を思いきり吸い込んだ後、

「リョウが亡くなってから、こうして手を合わせてくれる同級生なんて一人もいなかった……。

多分みんな、リョウのイジメ問題に関わりたくなかったんだと思う。

でも……。この花を持って来てくれたのがリョウの同級生だったら、すごく嬉しい……」

マナはミズキの肩に手を置いて、

「そうだよきっと!

みんな勇気がなかっただけで、内心リョウ君のこと心配してたはずだよ。

心配しない人なんていないよ!」

「ああ。気にとめてる奴は、絶対いる。

どこかにな」

シュンも明るく強い語気でそう言った。

ナナセはそっと、その花束を撫でる。

花の萎(しお)れ具合を見ると、一週間ほど前から供えられていたと見て間違いない。

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