しゃぼん玉

本当のことを言うと、メイは前々からリョウの優しさに惹かれていた。

それがこの時、明確な光となって胸に宿った。


リョウのおかげで、メイの班も遅ればせながら調理を終えることができた。

担任も、この班の料理をとてもほめていたし、

「星崎、さっきは班長らしくてかっこよかったぞ!」

と、リョウの言動を絶賛していた。


でもメイは、この出来上がった料理を口にすることが出来ず、そっとみんなの元を離れ、隣の家庭科準備室にこもった。

皆が出来立て料理を味わっている気配を壁越しに感じつつ、その辺にあった食器洗剤を適当な器に入れて水で溶いた。

それをストローの先端に浸す。

窓を開けて、洗剤がついていない方のストローの先を口に挟み、外の景色に向けてフーッと息を吐きだした。

< 384 / 866 >

この作品をシェア

pagetop