しゃぼん玉
ストローの先から生まれたしゃぼん玉は、洗剤の量が少ないからか、すぐにパチンと消えていった。
はかなくて、壊れやすい。
“まるで、ウチの家族みたい”
メイはそんなことを思った。
すぐに壊れてしまわないように、洗剤を付け足してみる。
けれど、横吹く風によってあっけなく消えるシャボンの玉。
時々は風に乗ってゆらゆらと浮かぶが、空の色が強すぎて、しゃぼん玉は主役にもならない。
「食べないの?」
星崎リョウが、出入り口で柔らかい笑みを見せていた。
メイはしゃぼん玉に夢中で、人が迫っている気配に全く気がついていなかった。