しゃぼん玉

ミズキは、両親の気持ちのあり方に驚きを隠せなかった。

ノートを隠したことを責められたり、リョウの自殺の原因を知って心を壊してしまうのではないかと思っていたからだ。


ミズキが帰宅する前まで菜月が泣いていたのも、

大成が目を充血させているのも、

ノートの内容が明らかになったからだとばかり、思っていた。


大成や菜月が思うほど、ミズキは両親に心を閉ざしているわけではない。

その気持ちをどうやって言葉にしたらいいのかが分からなかったが、ミズキは二人の視線に答えるように口を開いた。

「私は、お父さんとお母さんのこと、そんな風に思ってないよ。

ただ、そのノートを見せて悲しませたくなかっただけなの……。


私にとってもリョウは大切な家族で、かけがえのないたった一人の弟だった。

そのノートを見つけた時、すごく悲しかった。

悔しかった。


中学の時、リョウをイジメた子を探したこともあるよ。

その子達に謝ってほしい、リョウの命が消えて何とも思わなかったの!?って、問い詰めたいと思った。


姉の私がこんなに悲しいんだから、お母さんとお父さんの悲しみは、もっと大きくなるんだろうなって思った。

だから、このノートのことも隠してたの……」

< 426 / 866 >

この作品をシェア

pagetop