しゃぼん玉
ミズキは、部屋を飛び出していく大成の腕を全力で引っ張り、大声で叫んだ。
「待って!!」
普段穏やかな話し方をするミズキのその声は、大成の足を止めるのに十分なものだった。
「お父さんの言う通りだよ。
どんな理由があったって、リョウをイジメた子達のしたことは許されない。
誰だろうと、許しちゃいけない。
私もノートを見つけたばかりの時、そう思ったよ……。
でも、イジメに加担した子を警察に突き出しても、リョウがいない現実は変わらない……!
リョウは生き返らない!!
それなら、今できることをしたい。
自分が最善だと思うことをしたい。
それに、犯人に罪を償わせるだけが全てのやり方じゃないよ!
それより大事なことがあると思う!
穂積さんは、生まれた時からお母さんに嫌われて、虐待されてきたんだって……。
本当のお母さんなのに、だよ?
穂積さんはきっと、何か目的があって私を訪ねてきたんだと思う。
私、穂積さんのことまだ深くは知らないけど、知りたいと思ってる。
出来ることなら助けたいよ……」