しゃぼん玉


夜も更(ふ)け、闇のせいで静寂が深まる。

今日学校を休み、一日中ほとんど眠っていたメイは、ノドの乾きで目を覚ました。

布団の外側は、夜の空気でだいぶ冷たくなっており、部屋の暗さが余計にそれを際立たせている。

隣のベッドでは、メグルが寝息を立てていた。


台所で水を飲もうと思いメイが布団を抜け出そうとした時、枕元でカサリとビニールのこすれる音がした。

「……これ……」

思い出した。

その半透明のビニール袋の中には、夕方リクが差し入れしてきた、焼き鳥やつくね、ネギマなどが入ったプラスチックトレイが入っている……。

リクはメグルにこれを渡した時、二人で食べるようにと言っていたらしいが、メグルは、

「リク君、これ、メイのために持って来てくれたんだと思うよ。

だから、あたしはもらえない」

と言い、手をつけることはなかった。

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