しゃぼん玉


リクは自室のベッドに身を沈めたものの、まだ眠れずにいた。

カーテン越しに月明かりが透けて通る薄暗い部屋の中、何度も寝返りを打つ。


メイが無事に一日を終えた。

それさえわかれば、いつもなら安心して眠れるのだが、今夜は違った。

夕食時に父·義弘とした会話が、リクの神経を高ぶらせていた。

嫌な種類の興奮は鎮(しず)まってくれずに、熱く重く、リクの胸にのしかかる……。


バイトを終え、その足でミズキ達と共にメグルに会いに行き、その後帰宅したリク。

母·正美は、リクの帰宅を待ちわびていたかのように玄関に走り寄ってきた。

リクはそれを適当にかわした後、自室で制服から私服に着替え、夕食を取るためダイニングに顔を出した。

< 442 / 866 >

この作品をシェア

pagetop