しゃぼん玉
正美は、この緊迫した空気を和ませるような軽快な口調で、
「あなた、そんな厳しく言わなくても、リクなら大丈夫よ。
この間の中間テストでも、五教科で450点以上取れてたんだから」
だが、義弘はそれを肯定的に受け止めなかった。
「入学当時は、必ず480点取っていただろう。
このままじゃ、下がっていく一方なんじゃないか?
そんなことじゃ、大学受験も思いやられる」
リクは両手の拳をギュッと強くにぎりしめ、言った。
「そのことで、俺も話があるんだ」
リクは、バイトを始めてからずっとあたためていた考えを、両親に話すことにした。
「俺、大学は行かない。就職する。
ちゃんとアテもある。
高校卒業したら、この家を出るよ」