しゃぼん玉
今までで一番険悪な空気と、夕食の匂いが混ざり合い、一同は気まずい気持ちになる。
最後。リクの言葉がなかったもののように、義弘は容赦なくこう言い放った。
「リク。就職することは認めない。
今まで通りの進路希望で、N大学へ行け。
この時期に進路を変えるだなんて、担任の先生にどれだけ迷惑をかける気なんだ?
お前は知らないだろうが、教師は生徒の進路のために見えない場所でたくさん働いてくれているんだぞ。
それを当然のことのようにないがしろにするなんて、お前はいつからそんなにワガママな子供になった?
それにお前、就職のアテがあると言っていたが、どうせ嘘なんだろう?
お前の悪い癖だ。
昔からお前は、メイちゃんのことになると後先考えずに、その場の感情だけでどうにかしようとする。
世の中、それだけで渡っていけるほど甘くはないんだ。
学生ならそれも許されるかもしれないがな。
今のお前では、就職など無理だ。
例え就職したとしても、続くわけがない。
母さんも、心配しなくていい。
リクは大学に行く。
一人暮らしもさせない」
「あなた……」