しゃぼん玉

泣きそうなメイを前に、リクは驚き以上の悲しみを感じずにはいられなかった。

“今日は遠足だから、給食は出ないっておばさんも分かってるはずなのに……”

悲しみ一色の瞳でうつむくメイが痛々しい。

リクは、メイの母に対し怒りで血管が切れそうになる思いを抱いたが、今は自分の気持ちを発散させる以上に大事なことがある。

今にも涙をこぼしそうな顔をしているメイに、リクは自分の持ってきた弁当を差し出した。

「俺は朝いっぱい食べてきたから、これはいらない。

メイにあげる。

だから、みんなの所に戻ろう?」

しかしメイは首を横に振り、みんなが手作り弁当を食べている姿は見たくない、と、小さな声でつぶやいた。

「……そっか!

そうだよなっ!」

メイをこれ以上落ち込ませないよう、リクはわざと明るい声音で、

「俺ら二人の遠足にしよっか!

みんなはみんなで楽しんでるはずだし、二人くらいいなくなっても大丈夫だろうしっ!」

リクはメイの手を引いて、目の前のスーパーに入っていった。

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