しゃぼん玉
その頃星崎家では、ミズキの母·菜月と父·大成が、ミズキの発言について思い悩んでいた。
大成は今日、有給休暇を取り菜月のそばにいた。
「ミズキがあんなこと言うなんて……。
リョウをイジメていた子を、助けるなんて……。
私達は、どうしたらいいの……?」
「うむ……」
二人は、ミズキの精神的な成長を喜ぶ気持ちと共に、リョウをイジメた穂積メイへの憤(いきどお)りもあり、かけ離れた二つの感情をうまくかみ砕けずにいた。
ミズキとの話し合いも保留のまま夜を明かし、こうして今も複雑な心を抱えている。
「リョウが生きていたら……。
こんな私達を見て、なんて言うのかしらね?」
大成は菜月の気持ちをあたためるように、彼女の肩を抱いたのだった。