しゃぼん玉

けれど、リョウの命は14年目に儚(はかな)く散ってしまった。

どこかで、『人の命は桜の花びらのように舞い散るもの』という言い方を耳にしたが、全くその通りだと思った。

昨日までそこにあったものが、あっけなく手のひらからこぼれてゆく。

まさにそんな感じだった。


リョウの笑顔も、

泣き顔も、

悩んだ声も、

全てが一瞬で無になる――――。



「警察に行くかどうかは置いておいて、一度、穂積さんという子に会ってみたいわ」

「穂積さんは、虐待を受けてきたんだものな……。

リョウをイジメたことについて、その子がどう考えているかは分からないが……。


ミズキがあんなに気にかけている子だし、根っからの悪人だとは思えない。

直接その子に、話を聞きたいな」


赤みがかった落葉樹の葉が菜月と大成が居るリビングの窓に当たって、パシンと軽い音を立てた。

< 467 / 866 >

この作品をシェア

pagetop