しゃぼん玉

その女性は、リクの母·正美だった。

メイに用があって、ずっとS高の校門前でメイを待っていたらしい。

正美はもつれそうな足取りで、逃げるメイの後を追う。

メグルは振り返り振り返り、そんな正美の顔を見ていた。


しばらく走っていたが、逃げるのが面倒になったメイは立ち止まる。

大きなため息をつき、メグルに言った。

「先、帰って」

「わかった……。

家で待ってるね」

メグルはそっとメイから離れ、先に帰宅することにした。


正美はメグルを遠目に見送ると、メイに近づいた。

「メイちゃん。驚かせたわよね。

いきなりこんなところまで来て、ごめんね。

少し、お話したいことがあって……」

無理に貼り付けたような笑顔で、正美は含みを持った言い方をした。

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