しゃぼん玉
「宇野、君……」
アイリに両手を押さえつけられた体勢のまま、ミズキは視線だけを宇野マサヤのケータイに移した。
「アイリちゃん……。
私は大丈夫。
宇野君のケータイ、見せてほしい」
「でも……!」
「リョウは、もう生きていないの」
「えっ……?」
ミズキの突然の告白に、アイリの力が抜ける。
「リョウは、イジメを苦に自殺した……って、最初はそう思ってた。
たしかにリョウは、イジメられてつらい思いをしてたのかもしれない。
でも、あの子は、お父さんやお母さんを悲しませるようなことを、自分から望んでする子じゃない。
リョウの死には、胸にひっかかる点がいくつかあった。
だから私は、リョウの死の真相を知るためなら、何もこわくないよ。
だから……。
見せてくれないかな?」
いつも穏やかなミズキからは考えられないほど、峻烈(しゅんれつ)なまなざしだった。
ナナセはマサヤのケータイを手に取り、ミズキの方に差し出す。
「俺も一緒に見るよ」