しゃぼん玉

ミズキは、その手紙をそっと胸元に押し付ける。

“リョウ……。

リョウもつらい思いをしていただろうに、リョウは自分のことより、穂積さんのことをこんなに大切に考えていたんだね。

しゃぼん玉は、穂積さんとリョウ、二人の思い出だったんだね。

だから、このレターセットに、穂積さんへの想いを……。


リョウ、よく頑張ったね。最後の最後まで。


リョウの気持ちは、必ず穂積さんに届けてみせるからね。


お父さんとお母さんにも、このことを話してくるね。


リョウ、私のこと、見守っていてくれる?

みんなが幸せになれるように、天国にいるリョウの力をかしてね”

イジメの画像や動画を見て傷ついたミズキの心が、この手紙に込められたぬくもりであたたかくなるのを感じる。

それは、ナナセも同じであった。

“リョウ君はまぎれもなく、ミズキちゃんと血のつながった弟だね。

心も、なにもかも……”

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