しゃぼん玉
ミズキとナナセは、リョウの手紙とマサヤの携帯電話をかりることにした。
ミズキの両親と、穂積メイに見てもらうために。
アイリもそれに反対はしなかった。
よく見たらこの黒い携帯電話は、“あの日”メイが、ミズキに見せてきたものと同じ物だ。
メイが、リョウのイジメ画像を見せつけ、ミズキに金を要求してきたあの日……。
“宇野君と穂積さんは、つながっている……”
ミズキは、メイに対する複雑な思いを胸に、マサヤの過去を知ってどん底にいるアイリの肩を抱きしめた。
「アイリちゃん。
もしよかったら、今夜はウチに泊まる?」
「うんっ……!!」
アイリは今、一人でいたくなかった。
誰かにそばにいてほしい。
一人になると、マサヤの過去が頭に広がり、気がおかしくなりそうで……。
「あの……。俺も、今夜はミズキちゃんの家にいてもいい?
二人のそばに、いたいから」
ナナセは照れくささを紛らわすように、両手の指先を落ち着きなく絡ませる。
それは、緊張した時のナナセのクセだった。
「もちろんだよ!」
アイリとミズキの声が重なる。
「よかった……」
ナナセは嬉しそうに目を細めたのだった。