しゃぼん玉


マナとシュンが、穂積宅に到着する1時間ほど前のこと。

宇都宮が弁護士のフリをしている理由を悟ったメイは、自宅に足を運んだ。

“荷物を持って、家を出るんだ!”

メグルの自宅には必要最低限の物しか持ち込んでいないので、いま自宅にある荷物全てを持ち去り、翔子の前から消えようと思ったのだ。

この先、もしメグルの家から追い出されたとしても、手元にはリクの母·正美にもらった金がある。

なんとかなると思った。

“あんなとこには、もう帰らない――!”


宇都宮に直接問いただしたわけではないが、メイは気付いてしまった。

母親が宇都宮を動かしているということや、その目的を……。


翔子は離婚後、金銭的に苦しかった時期に、メイに向かってこんなことを口にしたことがあった。

『あんたがもうちょっと大人だったら、体売ったりできたんだろうに。役立たず』

その頃はその言葉の意味が分からなかったが、今ならわかる。

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