しゃぼん玉
メイが自宅に着き扉を開くと、すでに翔子が帰宅していた。
いつもならば、この時間、翔子は男と外に出ているはずなのに、なぜ。
そう思い、メイはそっと扉を閉める。
来た道を引き返そうとすると、中から二人の男の声が聞こえた。
宇都宮と、翔子の恋人のもの。
翔子もいるようだ。
メイは自分の存在に気づかれないよう気配を隠し、5ミリほど開いた扉の隙間から彼らの話を盗み聞きした。
宇都宮は、翔子や翔子の恋人に向かって、こう話している。
リクやその仲間達に弁護士でないことがバレてしまったから、翔子やメイと関わるのを辞めたい、と。
翔子がそれを必死にとめていた。
「ちょっと……!
アンタ、メイは最高の商品だとか言ってたじゃない!!
メイの仲間にバレようが、アンタならうまくごまかせるでしょ!?
もう、無理矢理にでもいいから、やっちゃいなさいよ!!
こっちは金がかかってんのよ!?」
「翔子さん、たしかにメイちゃんは極上っすよ。
でも俺、警察の世話にだけは、なりたくないんす。
あんな狭いとこで飯食って共同生活、生きた心地もありゃしない」
メイは彼らの話し合いを大方耳に入れたあと、そっとその場を後にしたのだった。