しゃぼん玉


以前ミズキと一緒にいる時穂積メイに会ったことがあるマナの道案内で、シュンは無事、穂積宅に着くことができた。

だが、屋内には人の気配がなく、近くに街灯が少ないせいもあり、その輪郭(りんかく)は夜闇に沈みきっている。


「誰もいないのかな?」

マナがそっと、穂積家の玄関に近づく。

シュンは腕組みをし、

「今日はもう遅いし、リクとミズキに報告して、明日どうするか決めよ」

シュンがそう言い終わるか終わらないかのうちに、空から冷たいものが降り広がってきた。

「雨っ!?そんなぁ。

傘なんてないよ!」

「とりあえず、どっかで雨宿りしようぜ!」

シュンは自分の上着をマナの頭に被せる。

二人は手をつないで、少し離れた商店街の軒下(のきした)に滑り込んだ。

シュンが服の裾でマナの顔についた水滴を拭っていると、マナのケータイが鳴る。

ミズキから電話がかかってきた。

マナはあわててそれを取る。

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