しゃぼん玉


リクは一人、メイがいそうな場所をあちこち探し回っていた。

小学生の時に、よく一緒に遊んだ公園。

二人で行った、ファーストフード店。

高校の一年生の時、学校をサボったメイに一度だけ付き合った、ゲームセンター。

だが、どこにもメイの姿はなかった。


念のため、リクの自宅の隣も見に行ってみた。

かつては、メイの自宅があった場所である。

現在、家は取り壊され、投げ捨てられたゴミや雑草にまみれた空地となっている。


どれだけ走り回っても、メイはどこにもいなかった。


宇都宮に、さらわれたのでは……!?

宇都宮が初めて穂積家に上がり込んできた時の雰囲気を思い出し、リクの気は焦るばかりで。

ゆえに、ミズキやシュンからの着信にも気がつけなかった。

ケータイの存在すら頭から消えていた。


心当たりのある全ての場所に行った後、彼にトドメをさすかのように、雨が降り出してきた。

夕方までは雲一つなかった空はいつの間にか深い灰色に染められ、雷の光が横走っている。

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