しゃぼん玉
冷たい空気の中に舞い落ちる雨が、メイの頭の先からじょじょに全身を濡らしていく。
このまま雨に濡れて、水溜まりの中に溶けてしまえたら……。
そう思い虚ろな瞳で、メイは公園の地面を見つめた。
雨で白くけぶる景色。
まるで、メイの心の中をまんま映したような冷たくて暗い背景。
“私、なんでここに存在してるんだろ”
全神経を雨の音に集中させ、瞳を閉じた。
「土曜日ね、僕の誕生日なんだけど、お父さんがプレゼント買ってくれるって!
前から欲しかったDSのソフトなんだぁ、楽しみ!!」
「いいなぁ!
俺にもやらせて!」
「いいよ! でも、僕がクリアしてからね?」
塾通いをしている子供達が、傘をさして楽しそうに会話をしている。
メイはゆっくり瞳を開き、声のした方に視線を移した。
小学五年生くらいの男子児童が二人、この公園の前の道路で肩を並べて歩いている。
メイは、操られているような足どりで公園を抜け出し、そっと彼らに近づいた。