しゃぼん玉

リクは霧のような雨の感触を顔いっぱいに感じながら、

「メイを、助けたい。


また、一緒にご飯食べに行こうよ。

メイの好きなテリヤキバーガーもさ。


ミズキちゃん達とみんなで、遊びに行ったりもしてさ!


あ、メイに渡したいものがあるんだった!」

そう言いリクは、初めてもらったバイト代入りの封筒を、カバンから取り出した。

給料は銀行振込みだったので、あらかじめATMで下ろし、いつでもメイに渡せるようにと、こうして持ち歩いていたのだ。


「これ、必要な時に使って?

俺、これからもバイト続けるつもりだし」

メイは差し出された封筒をリクの胸元に押し付け、

「あんたがいなくても、私はやっていけるって。ほら」

と、リクの母·正美にもらった分厚い封筒をおもむろに取り出し、リクに見せた。

リクはその封筒の中身を見て、目玉が飛び出しそうなほど目を見開き、

「こっ! こんな大金、どうしたの!?」

「あんたの母親にもらった」

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