しゃぼん玉

ずっと、恥ずかしくて口にできなかった、ミズキを好きだという気持ち。

今、ミズキのあたたかい感触を腕いっぱいに抱きしめたことで、ナナセの中に閉じ込められていた本音がスルスルと溢れ出た。

「ミズキちゃん……。

好き……。

ずっと、好きだったよ。


毎日たくさん話した電話とか、

付き合えたこととか、

全部全部、楽しくて、嬉しかったよ」

ミズキの頬に、あたたかいものが流れていた。

高校三年生の三学期、マナとシュンに協力してもらい、ナナセと四人で出向いた遊園地。

ミズキから告白してナナセと付き合うことになった、春をわずかに感じる風の中。

その時も、ナナセの口から彼の気持ちを聞くことはないまま、今まで付き合ってきた。

けれど、今ならわかる。

あの頃と変わらず、ナナセはずっとミズキを好きでいてくれたのだということ。


奥手なナナセは、長い間ミズキに気持ちを伝えられず、ミズキの知らないところでつらい思いをしていたのかもしれない。

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