しゃぼん玉
ミズキが出て行った後、部屋に残ったナナセは、もう一度窓ガラス越しに星空を見上げた。
“リョウ君、見てるかな?
俺は、臆病者で情けない男だけど、ミズキちゃんを好きな気持ちは誰にも負けない。
リョウ君は、こんな俺を兄として認めてくれるかな?
俺は、リョウ君の代わりにはなれないし、ミズキちゃんの心の傷を本当の意味で理解することはできないんだと思う”
ミズキとナナセは違う両親の元に生まれ、
違う家庭環境に身をおき、
違う人生を歩み、
その道が交わる交差点で、たまたま出会っただけなのだから。
“でもね、俺は誰よりもミズキちゃんを大切に思ってるよ。
苦しみや悲しみを隠して、一日一日を大切に生きてる。
そんなミズキちゃんを応援したい。
俺には何ができるのかわからなくて、いつも手探り状態で失敗することもあるけど、どうか、そんな俺を見守っててくれないかな?”
大切な人の弟。
もうこの世にはいなくても、リョウを大切に思うナナセの気持ちは変わらない。