しゃぼん玉

風呂から出たミズキは、洗面所のドライヤーで髪を乾かし、ナナセが待つ自室に戻った。

今度はノックをして、ナナセを驚かせてしまわないように気をつける。

中から扉が開くのと同時に、穏やかな表情をしたナナセが、ミズキを迎えた。


ミズキはすっかり晴れた夜空に胸を弾ませ、ナナセを見た。

「ねえ、ナナセ君……」

「なに?」

ナナセは穏やかな瞳でミズキに近づく。

ミズキは、真っ暗に染まった窓いっぱいの空を見上げ、

「冷たい雨が降ったら、いつかは必ず晴れるよね?」

「うん、晴れるよ」

「……穂積さんのことも、きっと……。

穂積さんは今、土砂降りの雨の中にいるのかもしれない。

でもいつか、晴れる日がくるよね?


穂積さんが笑顔を見せてくれる時は、やってくるよね?」

ナナセは力強いまなざしで、

「やってくるよ。

信じていれば必ず、晴れる日が」

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