しゃぼん玉

ナナセはミズキをベッドに座らせる。

「ミズキちゃんが眠るまで、そばにいるから」

「でも、ナナセ君、お風呂は?」

「後で入らせてもらってもいい?」

「それはいいけど、でも……」

ためらうミズキに、ナナセは微笑を浮かべ、

「ミズキちゃんも、眠った方がいいよ」


夕方からずっと、ミズキの神経は休まる時がなかった。

宇都宮の正体を暴いた直後に、リョウのイジメの真相を知り、さきほども、マサヤとアイリの件で涙を流した。

ミズキには自覚がないのかもしれないが、ナナセはミズキの神経がつぶれてしまわないかが心配だった。


ナナセはミズキの手をそっと両手で包む。

「大丈夫。俺のことは気にしないで、ミズキちゃんは自分が休むことだけを考えて?」

そう言っても、きっとミズキはナナセの入浴の心配などをするのだろう。

ミズキは困ったように抵抗していたが、ナナセの気持ちを知り、ベッドに身を預けたのだった。

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