しゃぼん玉


ここは滝川家。

メグルに助けられたメイは、今、静かに眠っていた。


メグルが公園でメイを見つけた時には考えられないほど、晴れ渡る空。

夜のせいで青空が見られないのが残念なくらいだ。


雨に濡れた制服で長時間寒空の下にいたせいか、メイは熱を出してしまった。

メグルと清、そして一郎が交代で、メイの看病をしている。


メイがすっかり寝静まった後、メグルは祖父母を居間に呼び、メイの話をした。

公園で立ち聞きしてしまった、メイとリクの言い合いや、その内容を……。

ストーブが焚(た)かれ灯油のにおいが漂う居間で、清と一郎は涙を流してメグルの話を聞いていた。

「なんてかわいそうにのぉ。

メイちゃんは、そんな思いをしとったのか……」

一郎はしわがれた声を震わせる。

清も目尻をつり上げ、

「やっぱりあの男性は、メイちゃんの叔父(おじ)なんかじゃなかったんだね。

なんてひどい話なんだ……!」

清は、この間偶然商店街で出会った宇都宮とメイの姿を思い出し、胸が裂けそうな痛みを感じていた。

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