しゃぼん玉


その頃。

メイ同様、リクも熱を出し、自室のベッドで眠っていた。

リクの母·正美が懸命に看病しており、父·義弘も珍しくリクの部屋に入り、熱にうなされる彼の様子を見ていた。


リクは、両親にメイとの関わりを納得してもらうべく、気持ちを奮い起こして自宅に帰った。

だが、そんな気持ちの勢いとは裏腹に、リクの体は寒気を感じて凍りつきそうになっていた。

雨に濡れた制服の水分が、冷たい夜風で氷づけになってしまったのではと錯覚してしまうほどに……。


玄関に入ってくるなり靴も脱がずに倒れ込んだリクを見て、正美と義弘はあわてた。

リクを部屋着に着替えさせ、部屋をあたたかくし、毛布を何枚か重ねたベッドに彼を寝かせた。


風邪をひいてしまったのか、リクは背中の筋肉が痛くなるまでセキをし続け、その数時間後、ようやく眠りについたのだった。


義弘は眉間にシワを寄せて腕組みをし、熱で赤くなった息子の寝顔を見つめた。

「こんなになるまで外を出歩くなんて。

絶対にメイちゃんのことが関係あるに違いない……。


一体、何をしてたんだ」

すると、正美が首を横に振り、言った。

「でも、メイちゃんにはちゃんと話してきたわよ?

あなたがくれたお金も、確かに渡したし……」

正美は、夕方メイに手切れ金を渡したことを報告した。

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