しゃぼん玉
正美は、ぱあっと顔色を明るくし、両手のひらを合わせて大賛成した。
「そうね、それがいいわ!
そんなにいい学生さんなら、家に来てもらうのも安心だもの」
義弘が家庭教師を呼ぶという選択をしたのには理由があった。
塾に通わせることも考えてみたが、メイに会うために、リクは平気で塾をサボるだろう。
それでは通わせる意味がない。
その点、家庭教師なら、正美か義弘が家でリクを見張ることができる。
リクはそんな両親の考えを知らぬまま、眠りの中で心地良い夢を見ていた。
幼い頃、メイと走り回った校庭。
当時、友達がいなかったメイと二人でやった鬼ごっこや、かくれんぼ。
縄跳び。
ボール遊び。
テレビゲーム。
バスケットボール。
ユーフォーキャッチャー。
メイと過ごしたたくさんのキラキラした日々がリクの夢の中に漂い、風邪で疲労したその体に、じんわりと染み渡っていった。