しゃぼん玉
清や一郎と話し終わった後。
メグルは、眠っているメイの様子を見に、自室へ戻った。
もう、すっかりメイ専用となった滝川家の客用布団はメグルの部屋に敷かれており、そこには、さきほどまで熱にうなされていたメイがぐっすり眠っている。
公園で耳にしてしまったメイの過去と事情。
それは想像以上に深く、メグルの胸はチクチクと痛んだ。
帰宅時、メイの意識はすでに朦朧(もうろう)としていたため、清とメグルで、雨に濡れたメイの制服を着替えさせた。
その時メグルは、公園でのメイとリクの会話は夢ではなかったのだと思い知らされたのだった。
やせ細ったメイの背中や二の腕にある、複数の傷痕。
それは、メイが実の親にされてきたことをむき出しにしていた。
メグルがメイと知り合って、三年の月日が経とうとしている。
その間メイは、夏の体育の授業で、一度もプールに入らなかったし、どんなに暑い日でも長袖のカッターシャツを着ていた。
“体中にある傷を、見られたくなかったんだね。
だからメイは……”
メグルは泣かずにはいられなかった。
メイが起きたら、笑った顔を見せたいと思っているのに……。