しゃぼん玉

メイは、眠りの世界でリョウの姿を見ていた。

リョウに告白し、それを断られ悪態をつく自分と、悲しげな瞳で何かを言いたそうにしているリョウの姿。

二つの影は、陽炎(かげろう)のように頼りなく揺れていて……。


メイは、リョウにフラれた事がキッカケで、うすうす気がついていた。

自分が、他者とは掛け離れた感覚を持ち合わせていること。

よかれと思ってしていたことが、実は他人を傷つけていたのかもしれないということ。


“私は一生、誰にも愛されないまま終わっていくんだな。

どうしたら、メグルみたいになれるの?


私は、メグルがうらやましかった。

メグルのそばには常に誰かがいて、みんな、心から笑ってる。

メグルがいるだけで、周りはみんな明るくなって、楽しそうな雰囲気になる。


初めてメグルに話しかけられた日に、

『こいつは私とは違うものをたくさん持ったタイプの人間だ』って、すぐにわかったよ”


光が届かない、ひんやりした洞窟の中のような暗闇が、メイの視界に広がる。

“リョウ……。

マサヤが言ってた、私に書いた手紙って、何のこと?

マサヤに訊いても、何にも話してくんないしさ……。

私がそれを読んでいたら、

それがマサヤの手に渡っていなかったら、

あんたは今でも生きててくれた?

笑いかけてくれた?


私に、人とのまともな接し方を教えてくれた?


小学校を転校する直前に、私がみんなに蹴ったり殴られたり悪口を言われた理由を、あんたなら教えてくれた?”

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