しゃぼん玉

眠る時に見る夢の中の世界は、つながっているのだろうか。

リョウと過ごした一瞬一瞬が、すやすや寝息をたてているミズキの体を、ふわりと包む。

リョウは、ミズキが作ったフルーツタルトを頬張り、

“おいしいっ!!

ミィちゃんはやっぱり料理の達人だね!

大人になったら、やっぱりパティシエになるの?


これ、クラスのコ達にも食べさせてあげたいな”

そう微笑むリョウの存在が、遠くに感じる。

『パティシエかぁ。

なれるのなら、なりたいな』

かつてのミズキは、料理関係の仕事に就くのが夢だった。

リョウや家族、友達もみんな、ミズキの作る菓子や料理をほめてくれたから。

失敗した時は「まずい」とハッキリ指摘されたが、ミズキはめげずに作り直した。

そしてまた、ほめられた。

そういう過程に、ミズキはやりがいを感じていたし、

『おいしい』

そう言って幸せそうな顔をする家族や友達の柔らかい笑顔を見て、これを仕事にできたらどれだけいいだろうと、心から思った。


リョウは、そんなミズキの夢を、身近で応援してくれていた。

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