しゃぼん玉
ミズキは、眠っているナナセの顔をなにげなくチラリと見た。
リョウとナナセ。
二人の顔立ちは違うけれど、彼らはどこか雰囲気が似ている。
照明が落とされた部屋に、月明かりのみが青白く浮かぶ。
ナナセを起こさないよう、じっと痛みに耐えるミズキだったが、心のどこかで、ナナセに起きてほしいと思っていた。
ナナセを起こしてこんな顔を見られたら、間違いなく心配をかけてしまうのに。
ナナセは、そんなミズキの矛盾した想いに小突かれたかのように、体をビクッとさせた。
「わっ……、寝ちゃってたんだ……」
あわてて目をこすり、カーペットの上でベッドにいるミズキを見上げるナナセ。
その後わずかに目を伏せてから、
「ミズキちゃんがいつ起きてもいいように、起きてるつもりだったのに……。
先に寝ちゃって、ごめんね」
「ナナセ君……」
ナナセは、ミズキのために寝ないようにしていた。
それだけで、ミズキの心のモヤはすぅっと消えていくようで……。