しゃぼん玉
ミズキは、あたたかいベッドからそっと抜け出し、掛け布団を引きずるように手に取り、ナナセの横に座った。
二人肩を並べて、ベッドにもたれるように座る。
よく見ると、ナナセの髪からはミズキと同じシャンプーの匂いがしていた。
照れくさそうにうつむくナナセの横顔。
月がこぼす光加減のせいだろうか?
ナナセの前髪が無造作に横に流れていて、その様が妙に色っぽくみえた。
ミズキはそんなナナセにドキドキを隠しつつ、
「起きててくれたの?
風邪、ひいちゃうよ」
そう言い、ベッドで使う掛け布団を、自分とナナセのヒザにかけた。
ミズキの体温が残った布団の重さが、ナナセの目を冴え渡らせる。
二の腕あたりに、服越しのミズキのぬくもりが触れる。
ナナセは緊張感をごまかすようにミズキの頬を見た。
そこには、さきほどまでの彼女の気丈さは、ない。
「泣いて……たの?」
「うん……。
夢でちょっと、ね……」
ナナセがこうしてミズキの涙声を聞くのは、初めてのことではなかった。
リョウの夢を見たという話は、今までに三回ほど聞いている。
だが、実際ミズキは、それ以上の回数リョウの夢を見ているのだろうということが、ナナセにはわかっていた。