しゃぼん玉
ナナセは、無意識のうちにミズキの肩を抱こうとしている自分に気付き、勢いよくその手を引っ込めた。
きっと深い悲しみを覚えているだろうに、それを抑えて無理矢理笑おうとするミズキ。
“泣いても、いいんだよ?”
ナナセはそう思うのと同時に、
「……抱きしめても、いい?」
照れの中に、緊張が溶け込んだ声になった。
ミズキは嬉しそうに目を細め、うなずく。
ナナセは恥ずかしそうに目を伏せ、たどたどしい手つきでミズキの体を引き寄せた。
「全部、一人で我慢しないで……」
「うんっ……」
二人の足にかかっている布団のぬくもりが、胸にしみて、くすぐったい。
ナナセの両腕の強さがミズキの痛みを和らげ、二人の心を強く結びつけている、そんな感じがした。
さきほどまで浸っていた一人ぼっちの孤独な夢の中から救いだされたミズキは、ナナセの胸で、彼の心のあたたかさを十二分に感じていた。
“ナナセ君といると、悲しみが半分になるみたい”