しゃぼん玉
「うん、そうだよね!
リョウのこと話すのは、穂積さんのことが解決してからにする!
どっちも放っておけないから、全部ちゃんと解決できるように、一つずつ、向き合うよ」
ミズキはナナセの胸元に両手を当て、彼の瞳を見つめてそう言った。
その瞳はキラキラと輝いていて、さきほどまでの迷いはない。
至近距離でミズキに見つめられ、ナナセは思わず目をそらした。
こんな真面目な話をしている時に不謹慎だと思いながらも、ミズキの頬や、かすかに潤んだ彼女の瞳が眩しすぎて、ナナセの胸は飛び跳ねてしまう。
「ナナセ君、ありがとう」
ミズキは自分の両手でナナセのそれをふんわり包み込むようにし、胸元でギュッとにぎりしめた。
そして、過去を思い出すように瞳を閉じる。
「私ね、ナナセ君と付き合う前、ナナセ君に自分を見せるのがこわかったんだ。
自分を出したら、その分甘えが出て、リョウのことでナナセ君に八つ当たりしちゃうんじゃないか、心ない言葉でナナセ君を傷つけちゃうんじゃないかって……」
“ヒデトの時のように……”
ミズキは、自分の弱さゆえに傷つけてしまった元カレ·ヒデトのことを思った。