しゃぼん玉

「でも、ナナセ君といると、素直な自分でいられる……。

すごく安心できる」

「俺もだよ。

ミズキちゃんといると、安心できる……」

静かにささやきかける、ナナセの声。

それはどこまでも優しい響きをしていて……。

ミズキは、無意識のうちにナナセの顔を見つめていた。

「ナナセ君……」

恋心から溢れ出す甘い声。

水分を含み過ぎて、ゆらゆら揺れるミズキの瞳。

ミズキにぎられた両手の熱さと、目の前にいる彼女の雰囲気に引き込まれ、ナナセは身動きがとれなくなった。


ミズキはそっとナナセの両手を離すと、少しずつ熱をおびるナナセの頬に唇を近づけた。

わずか数ミリの二人の距離。

「…………っ」

今までで一番近い距離に、ナナセの鼓動は激しくなる。

ミズキのことが心から好きなのだと、思い知らされる。

< 581 / 866 >

この作品をシェア

pagetop