しゃぼん玉

いつかミズキとするのであろう、唇や体を使っての愛情表現。

それらも、自分には無理だ、勇気がない、男女の関係になることがこわい。

ナナセはそう思っていた。

でも、たった今、知った。

ミズキを想う本能の前では、そういった前置きはいらないのだと。


「クリスマスまでとっておこうと思ってたんだけどな……」

ナナセがそうつぶやくと、ミズキはびっくりしてナナセの肩から頭を離した。

「ナナセ君……?」

ナナセは、ミズキの頬に唇を寄せると、彼女のあたたかい桃色の肌にそっとキスをした。

ミズキの頬に、ナナセのぬくもりが淡く残る……。

二人の心は、追いかけ合うように小刻みに高鳴っていた。


「ミズキちゃん……。

好きだよ」

照れたように、はにかむナナセ。

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