恋心屋
「じゃあ、そろそろ出ましょうか」


お腹もいっぱいになり、席を立ったところで、悩んだ。


昨晩どこに行けばいいか、いろいろと考えたけれど、場所がなかった。


男友達とは、駅前近くのゲームセンターで過ごしたり、スポーツセンターで卓球をしたり、ボーリングをしたりしていた。


女友達とは遊んだことは、小学校以来、ない。


うーん、とうなっている僕をみて察したミツキさんは、


「ゲームセンターとか行かないんですか?」


「行きますけど、大丈夫です?」


「はい。私はどちらかというとゲームが好きですから。兄とよく家でやっていましたし、小学生の時にはゲームセンターに連れていってもらいました」


お兄さんがいたんだ。


「それじゃあ、行くあてもないから、すぐ近くにあるところに行ってみましょう」


はい、とうなずくと、ミツキさんは心なしか嬉しそうな表情になった。
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